先日、Kさんと夫の道刈りが無事に終わりました。
これは出発前、リュックに詰める中身を撮ったものです。
食糧、着替え、草刈りの替え刃など。
この日は山小屋に泊まる予定なので、食糧も多め、念のため寝袋も。
これが道刈りスタイルです。
リュックを背負い、外にぶら下げているのは燃料です。1.8ℓのペットボトル4本。
私も背負ってみましたが、重い!!立つのがやっとです。
この状態で、草を刈りながら山を登っていきます。
出発前の記念写真。
道刈りを通して、夫はKさんからたくさんのことを学んだようです。
Kさんは77歳というお歳ではありますが、休みなしで3時間も4時間も草刈りを続けたり、塊のハムを丸かじりする食欲旺盛さに、驚かされてばかりだったようです。
また、山の中はブヨがすごく、蚊柱ならぬブヨ柱に悩まされたようです。夫は防虫ネットをし、手袋もしていたのに、手袋と腕時計の隙間を何箇所かさされ、手が腫れてしまいました。一方のKさんは防虫ネットをかぶらず、手袋さえもせずに草刈りをしていたそうですが、ブヨに刺されている様子もなく、夫は「どうしてKさんは大丈夫なんだろう?」と不思議がっていました。強力な抗体ができていて、ブヨに刺されてもなんともないのでしょうか??
以下は、休憩時間や、夜、山小屋で寝るまでの間に聞いたお話の一部を夫がメモとして残したものです。最後の方は夫自身の感想です。Kさんの道刈りに込めた思いが伝わってきます。
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Kさんの言葉「道刈りは修行。登山者のため。」
道刈はただ草を刈るだけでない。
・道に張り出した枝も落とすし倒木も手鋸で撤去していく。
・不安定な石があれば転がして危なくないように座りをよくする。移動させる。
・傾いた道標には石をこめて直す。
・道端の花や松は景観を考えて刈らずに残す。
・へこんだ道には石を置くなどして補修する。
・急な上り坂ではあえて笹を残して道が崩れないようにする。ときには笹を植える。
掴まることもできるように。
・水場では利用者が水を汲みやすいように周りを整備し淵を深く掘る。
時にはパイプなどで細工する。
・落ち込んでくる道には新道を付けることも考えていく。
最後の道刈、風景を噛みしめるように作業を進めるKさん姿が目に焼き付いている。
水場の冷たい水の美味しさ。
雨の跡のみあらわれる幻の水場や未だ未確認の水場。
史料にも残っていない番所跡。
危険を回避するため無理をしない知恵。
登山者の人たちとの挨拶、語らい。時には御礼を言われつつの道刈り。
すべて楽しい経験だった。
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ただ草を刈るだけではないことが、よく分かります。
来年からは夫1人で行う道刈り。Kさんの山や登山者の人たちへの思いも受け継いで、頑張ってほしいと思います。
Kさん、16年間ありがとうございました。
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